日銀は20~21日の金融政策決定会合で3年半にわたる大規模金融緩和の「総括的な検証」をまとめる。これを受けた追加緩和策の軸にマイナス金利の拡大を据える方向で調整。これに対し三菱東京UFJ銀行など3メガバンクは利ざやがさらに縮小する「副作用」に備えて対応策を検討する。利用者への負担転嫁も視野に入れており、企業向け大口預金について「口座維持手数料」を徴収する案が浮上している。
日銀は2月、金融機関が日銀に預けるお金の一部に事実上0・1%の手数料をかけるマイナス金利政策を導入した。日銀は総括検証で導入による効果と副作用を点検するが、貸出金利低下の効果が銀行の利ざや縮小の副作用を上回ると判断する見通し。マイナス金利の幅を0・2~0・3%に拡大する公算が大きい。
一方、銀行各行はマイナス金利の拡大に伴い利益となる貸出金利を下げる場合、費用である預金金利を下げないと、利ざやを確保できなくなる。
金融庁は3メガバンクの平成29年3月期の業績について、マイナス金利政策の影響により3千億円程度の減益になると試算しており、マイナス金利の拡大となれば減益幅がさらに広がることは避けられそうにない。