内閣府は15日、7~9月期の国内総生産(GDP)改定値から適用される新しい国際基準に基づく基準年(平成23年)の名目GDPが、491兆4千億円になるとの試算を発表した。旧基準に基づく従来値(471兆6千億円)と比べて19兆8千億円(4.2%)上積みされる。付加価値を生む「投資」として、国際的に重視されるようになった企業や大学の研究開発費を新たに設備投資などへ算入したことが主因だ。
年末に公表される他の年のGDPも、同程度上積みされるとみられ、政権が目指す名目GDP600兆円の達成を後押ししそうだ。
内閣府によると、研究開発費による上振れは16兆6千億円。このほか、特許使用料の加算などで1兆4千億円、戦車、艦艇など防装備品を新たに公共投資扱いにすることで、6千億円が押し上げられた。
足元では、経済活動に関する概念や企業、家計動向の変化に即して政府統計を見直す動きが加速している。総務省は15日、新しい消費統計指標の開発手法などを議論する有識者会議の初会合を開催。ネットによる購買など、従来の家計調査で把握しきれない新しい消費動向の補足を狙う。