【新潟県知事選】原発の「知事リスク」強まるか 中長期的なエネルギー政策の立案困難に

2016.10.17 19:19

川内原発1号機の定期検査で、原子炉から取り出され使用済み燃料プールに移される燃料=17日午後、鹿児島県薩摩川内市
川内原発1号機の定期検査で、原子炉から取り出され使用済み燃料プールに移される燃料=17日午後、鹿児島県薩摩川内市【拡大】

 新潟県知事選で東京電力柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)の再稼働に慎重な米山隆一氏が初当選したことで、原子力規制委員会の安全審査に合格しながら、地元の判断で原発が動かせなくなる「知事リスク」が再び顕在化しそうだ。定期検査中の九州電力川内原発1号機(鹿児島県)などにも影響が広がれば、中長期的なエネルギー安定供給にも支障が出る恐れがある。

 「今回の結果を見て、(鹿児島県の)三反園(訓)知事はどう反応するだろうか」

 九電関係者は戦々恐々としている。

 三反園知事は今年7月、「川内原発の停止」を公約に掲げて知事選に初当選すると、2度にわたって九電に川内原発の即時停止を要請した。知事に原発を止める法的権限はなく、九電は即時停止には応じなかったが、今後、新潟県知事選の結果に意を強くした三反園知事が再び強硬姿勢に出る可能性もある。

 一方、柏崎刈羽6、7号機の安全審査は終盤に入っており、合格は早ければ来年の見通しだが、米山知事の同意を取り付けるのは難しくなった。再稼働の遅れは東京電力ホールディングス(HD)の経営再建に打撃となるため、17日の東京株式市場では、東電HDの株価終値が前週末比33円(7.9%)安の385円と急落した。

 大手9電力が規制委に安全審査を申請した原発は26基で、現時点ではそのうち2基が運転中。政府は原発を重要なエネルギー源と位置づけ、平成42年度に電源比率に占める割合を2割強まで回復させる目標を掲げており、知事リスクが“伝染”すれば中長期的なエネルギー政策が土台から揺らぎかねない。

 経済産業省幹部は「知事の説得はどの原発でも大きなネックになる。(新潟のように)議論すらできない状況が全国に広がることは避けたい」と漏らす。

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