企業の責任で健康効果を表示できる「機能性表示食品制度」について、政府の規制改革推進会議が、消費者庁に届け出る資料を事前にチェックするための第三者機関設置を検討していることが2日、分かった。届け出から商品の発売まで300日以上かかるケースがあり、企業からは「販売戦略が立たない」との悲鳴も上がっていた。機関設置で消費者庁の届け出受理に関する業務負担を減らし、企業の商品展開の迅速化につなげる。
機能性表示食品制度は2015年4月に始まった。企業は商品パッケージなどで、「おなかの調子を整える」「脂肪の吸収を抑える」といった健康効果を表示できる。健康関連市場の底上げが期待できるため、安倍晋三政権は成長戦略の一つとして重視している。
制度を活用したい企業は、食品の機能性や安全性を証明して消費者庁に届け出ればよく、手続きは比較的簡単だ。届け出の受理件数は559件(16年12月9日時点)に達する。
ただ、企業の届け出を消費者庁が受理してから情報公表するまでの期間は、長期化する傾向にある。サプリメント業界団体が任意の15業者を調べたところ、制度開始直後の15年4月に届け出た3業者は公表までに14日から20日かかった。しかし、同年11月から16年1月にかけて届け出た3業者は、301日から303日かかった。資料不備などで差し戻された回数は当初1、2回程度だったが、足元は3、4回程度まで増えている。