
ミャンマー東部タンダウンジーの町並み=1月20日(共同)【拡大】
ミャンマー政府軍と少数民族武装勢力カレン民族同盟(KNU)の内戦が約60年間続いた同国東部カイン州の町が、観光地として脚光を浴びている。2012年の停戦合意後、旧敵同士が共に観光開発を進めてきた。にぎわい始めた町で、当事者たちは平和構築のモデルにしようと奮闘している。
山道を車で進み、標高約1200メートルの山頂付近にさしかかると、なだらかな斜面に木造民家が並ぶ。人口約4000の町タンダウンジー。キリスト教会を中心に町が形成され、住民の大半は少数民族カレンだ。
「内戦中は銃声が響き、生きるのに精いっぱいだった。今は平和になり、収入も増えて幸せ」。宿泊施設の女性オーナー、サー・ゲイさんが笑みを浮かべた。食料品店を営んでいたが、停戦翌年の13年に築約100年の自宅を改装し、宿泊施設をオープンした。
山頂から見渡す山々や雲海の絶景を目当てにミャンマー人旅行者が年々増え、全5室は毎週末、満室になる。町役場によると、週末には約100人の旅行者が町を訪れる。宿泊施設は7軒になり、地元産のコーヒーやワインを土産として売る住民もいる。
多数派ビルマ民族の支配に抵抗したKNUは、独立とカレン民族の権利向上を求めて武装闘争を1949年に開始した。複数の住民によると、町の周辺で政府軍とKNUが交戦したほか、政府軍が住民を荷役などの強制労働に駆り出し、命を落とす人もいた。政府軍の掃討でKNUは次第に劣勢になり、停戦に至った。