□青山学院大学特別招聘教授・榊原英資
2017年は戦後72年目。明らかに一つの時代が終わる年だといえるのではないだろうか。筆者は1941年生まれ。この戦後七十余年はちょうど筆者の一生とだぶることになる。まさに一つの世代の時代だったといえるのだろう。
◆占領政策の異物
この七十余年の出発点は45~52年の連合国軍総司令部(GHQ)による占領時代。日本国憲法がつくられたのも、この時代(46年11月3日公布、47年5月3日施行)だし、刑法、民法などが改正されたのもこの時期だった。ただ、日本国憲法は最終的にはGHQの民政局によっていわゆる「マッカーサー草案」をベースに9日間でつくられたのだった。「マッカーサーノート」といわれるこの草案は「天皇を国のヘッドとし、皇位は世襲される」こと、「戦争を放棄し、陸海空軍は持たない」こと、そして「華族制度など日本の封建制を廃止する」ことを原則としていた。
ただ、陸海空軍を持たないという点は憲法第九条についてのいわゆる芦田修正(当時の憲法改正委員会の委員長、芦田均=後の首相)によって修正され、「前項の目的のため」が挿入されたことによって自衛のために軍隊、自衛隊は持てることになった。この修正を当時のホイットニーGHQ民生局長、ケーディス次長が受け入れ、いわゆる再軍備が可能になったのだった。