
圏央道の常総インターチェンジで開かれた開通記念セレモニー=26日午前、茨城県常総市【拡大】
首都圏3環状道路の最も外側に位置する首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の茨城県内区間が26日、全線開通した。千葉から埼玉、神奈川まで5都県がつながり、成田空港から都心を経由せずに北関東へのアクセスが可能になるため、観光地は外国人客の増加に期待を寄せている。
国土交通省は茨城県常総市で開通記念式典を開き、石井啓一国交相は「圏央道約300キロの約9割がつながり、経済活動を支える上で大きな役割を担うことになる。近郊の大型物流施設は輸送時間が削減され、生産性向上が期待できる」とあいさつ。同市のインターチェンジ(IC)ではテープカットが行われた。
新たな開通区間は、境古河IC-つくば中央ICの28.5キロ。暫定2車線で、利用状況をみて4車線化を検討する。
国交省の試算では、成田空港から世界遺産の富岡製糸場(群馬県富岡市)や、景勝地として知られる埼玉県長瀞町などへの所要時間が、いずれも約20分短縮される。
富岡市の担当者は「成田空港の利用客を積極的に誘致できる。富岡に来るツアーが増えることを期待したい」と話し、茨城や千葉でも観光PRに取り組む方針。長瀞町観光協会は「繁忙期は客が時間通りに着けず、レンタサイクルなどのキャンセルが多かった。渋滞が回避できるのは良いことだ」と歓迎している。