
式典に出席したオーストラリアのターンブル首相(右)と中国の李克強首相=24日、キャンベラ(AP)【拡大】
【クアラルンプール=吉村英輝】オーストラリアのターンブル首相は24日、首都キャンベラで、同国を訪問中の中国の李克強首相と会談し、自由貿易の推進などで一致した。中国は、米国のトランプ大統領が保護主義的な経済政策を打ち出していることを念頭に、南シナ海進出で障害となる、米豪同盟関係にくさびを打ち込んだ格好だ。
会談では、2015年2月に発効した豪中自由貿易協定(FTA)拡充協議や、オーストラリアから中国への冷蔵牛肉輸出手続き緩和で合意した。
両首相は、米国が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)離脱を決めたことを受け、日本や中国など16カ国が進める東アジア地域包括的経済連携(RCEP)についても、早期妥結を目指す姿勢だ。
オーストラリアにとって、中国は最大の貿易相手国。中国側には、経済協力推進で、現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」に豪州を取り込む狙いがある。
一方、李氏は会談後の記者会見で南シナ海問題について問われ、「軍事化を意図したことはない。島などへの装備は民生用であり、軍用があったとしても航行の自由などを維持するためだ」と述べた。
ターンブル氏は国際法に基づく領有権問題解決を訴えるにとどめた。
李氏は会談に先立つ23日の昼食会で「冷戦時代のように、どちらかの側につくようなことはすべきでない」と、米豪同盟を暗に牽制(けんせい)した。ビショップ豪外相が今月中旬、訪問先のシンガポールで「中国のような非民主的国家が世界を牽引(けんいん)することはできない」と発言したことを受け、中国の鄭沢光外務次官が反発していた経緯がある。
李氏は29日までの日程でニュージーランドも歴訪する予定。