
平成28年9月中間連結決算を発表するタカタの野村洋一郎取締役(左)=4日、東京証券取引所(今井裕治撮影)【拡大】
19日の東京株式市場でタカタ株に買い注文が殺到、終値は前日比80円(20%)高の475円で値幅制限いっぱいのストップ高となった。欠陥エアバッグ問題をめぐる米国の所有者らとの訴訟でトヨタ自動車など4社が和解し、タカタの経営に対する不安心理が後退したとの見方が広がった。
一方で「再建に向けた課題は山積みだ。先行きは全く楽観できない」(ネット証券)との声も根強く、株高は一時的とみられている。
タカタの欠陥エアバッグ問題をめぐり、米国の所有者らが自動車メーカーを相手取って起こした集団訴訟で、トヨタなど4社は18日、経済的な損失に対する補償として計約5億5300万ドル(約616億円)を支払うことで和解したと発表した。
4社にはトヨタのほか、マツダ、SUBARU(スバル)、ドイツのBMWが含まれている。和解金は、修理のために車が一時的に使えなくなったり、レンタカーを借りたりした際の補償などに充てられる。この訴訟を扱う南部フロリダ州の連邦地裁が承認すれば、各社が支払う。