企業を取り巻く環境は不安定だ。トランプ米政権の混乱や米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げの動向が読みにくくなっているなど、この先、為替が急変動する懸念があるためだ。日本企業は過去に超円高で苦しんできただけに、為替リスクには敏感だ。
大和総研の小林俊介エコノミストは「人手不足が深刻な中小企業、非製造業企業は資金がなかったり、後継者がいないために借金を作りたくないなどの事情があり、投資を行う余力がないケースが多い」と指摘する。
物価上昇率2%の目標を掲げ、金融緩和を続ける日銀にとっても、企業の慎重姿勢は悩ましい問題だ。
日銀の布野幸利審議委員は2日、札幌市内で講演し、大規模な金融緩和が続く今こそ「構造改革と成長戦略を進める好機で、これを逃すべきではない」と強調した。企業に対し、生産性向上につながる人材・設備への投資を促す狙いだが、経営者の意識を変える新たな政策は見えない。(蕎麦谷里志、米沢文)