築地市場(東京都中央区)の豊洲市場(江東区)への移転問題で、小池百合子知事は28日開会の都議会臨時会で「(豊洲市場の追加工事は)来年6月上旬に完了すると見込んでおり、具体的な移転時期はそれ以降になる」と述べた。都は移転時期の目標を来年春から秋としていたが、春は断念した格好だ。築地の業界団体は夏を避けたい意向で、移転時期は来秋以降になる見通しとなった。
豊洲市場の追加土壌汚染対策工事費や、築地再開発の検討費など移転関連費用として、今年度と来年度分の計73億円の予算案を提案。小池氏は豊洲移転・築地再開発の基本方針について「東京のさらなる成長に向けて両方を生かしていくべきだ」と理解を求めた。
築地再開発は民間主導で検討するとし、築地に戻りたい仲卸業者などへの対応は「移転後の状況を踏まえつつ検討したい」と述べた。2020年東京五輪・パラリンピックの準備を急ぐ考えも示した。