AIとつくる未来の新聞広告:SankeiBiz

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10月20日は『新聞広告の日』AIとつくる未来の新聞広告

広告企画 ※AIと連携した広告企画を強調するため、新聞題字にAIを掛け合わせた特別デザインにしています

新聞広告「人とAIの共創の時代」へ

MAI&AICOがコピー担当した2016年10月10日付の新聞広告 MAI&AICOがコピー担当した2016年10月10日付の新聞広告
AIプランナーズのMAI&AICOの役割分担 AIプランナーズのMAI&AICOの役割分担

 本日20日は『新聞広告の日』。新聞広告の未来について考えてみたい。技術革新により、さまざまな領域で活用の可能性が探られている人工知能(AI)は、広告においても活用される事例が少しずつだが増えてきている。
現在、AIは「人間の仕事を奪うのでは」とネガティブな文脈で捉えられることもあるが、その一方で人間の発想をスケールしてくれる存在にもなりうる共生の道も見えてきつつある。実際、2016年10月20日付のフジサンケイビジネスアイにてAIが初めて書いたコピーを採用した『新聞広告のセクシーが待っている。』という広告原稿にも大きな反響があった。2017年は金融、非営利組織(NPO)、ファッション・流通など、さまざまな業界の企業とコラボレーションし、進化したAIと人間の共生でつくる『新聞広告の未来』に迫っていく。――

人間とAIの集合知によりクリエイティブを支援する 人間とAIの集合知によりクリエイティブを支援する

 AIプランナーズMAI&AICOプロジェクトは、人間とAIの共創で生み出すクリエイティブの可能性を探る企画である。当初、電通や電通デジタルのクリエーターと静岡大学の狩野芳伸准教授が中心となり、2年前にスタートした。そして現在、さまざまなテクノロジー企業のメンバーが結集し生み出す計画を進めている。
同プロジェクトは、『AI COPYWRITER』の略称であるAICO(アイコ)と、『Marketing AI』の略称であるMAI(マイ)の研究開発を進めている。若手からベテランまで役職や地域を超え、有志のコピーライターたちがAICOに新たに大量のコピーを書いて教え込む「先生」として活動中だ。またMAIに関しては、テレビメタデータなどを活用し、静岡大学の狩野研究室をはじめ、さまざまなプロダクションが得意分野で連携し、最適なアルゴリズムやUI(ユーザー・インターフェース)の開発に携わっている。さらにラジオCMのコメンテーター役にAICOが抜擢され斜め上のコメントを生成するなど、AIプランナーズMAI&AICOからさまざまなプロジェクトが生まれつつある。現在コピーライターやマーケターはもちろん、さまざまな立場のユーザーからフィードバックを受けつつ、今も少しずつ進化している。

人間とAIの相互補完がより良いコピーを生み出す 人間とAIの相互補完がより良いコピーを生み出す

 今回の取り組みは、例えるなら「新米のコピーライターやマーケターをみんなで応援する」こと。そして「みんながAIに教える過程で互いに学んでいく」姿としてみることもできる。もしくは、MAI&AICOというシステムをもとに「集合知」で多くのコピーライター、プランナーがつながり、互いに価値を増幅していくという新しい潮流ともとらえることができる。こうした仕組みを利用することで、データによる客観性と圧倒的な拡散性・網羅性で、人間の主観に基づいた「思い込み」の殻を破ることができる。またAIが出した切り口を人間が精度を高めブラッシュアップしていくという役割分担により作業効率がアップし、生産性の向上にもつなげていくことができるだろう。次から具体的な事例を紹介する。

AI×フィンテックで広げる、自分の可能性

J.Score

 近頃耳にすることが増えてきた単語「FinTech」(フィンテック)。金融を意味する「Finance」(ファイナンス)と、技術を意味する「Technology」(テクノロジー)の2つの単語を組み合わせたこの造語は、IT技術を用いた革新的な金融サービス全般を表す際に用いられている。
フィンテックの領域では、分散型ネットワーク技術「ブロックチェーン」や仮想通貨「ビットコイン」などを用いて、ベンチャーやテクノロジー企業が様々なサービスを日々開発・ローンチしているが、ここにもAI化の波は押し寄せてきており、先日注目のサービスが開始となった。

 9月25日、みずほ銀行とソフトバンクによる合弁会社J.Scoreは、ビッグデータとAIを活用した日本初の個人向けフィンテック融資サービス「AIスコア・レンディング」をスタート。このサービスでは、利用者はチャット形式の質問に答えていくことで自身の可能性や信用力を数値化した「AIスコア」を算出することができ、その値に応じた金利や極度額で融資を受けることができる。
 AIスコア算出には、みずほ銀行とソフトバンクの与信管理能力と情報分析力といったノウハウが用いられており、スマートフォンやPCからアクセスすることで20歳以上であれば誰でも無料で利用可能となっている。(要メンバー登録)
 質問の内訳は年収や勤務内容等を問うもので合計18問。また、みずほ銀行、ソフトバンクとの取引情報や趣味、保有するクレジットカード枚数、ライフスタイルなどの追加情報を利用者が任意で提供することで、AIスコアアップも可能だ。
 同サービスでは「AIスコア」を用いることで、これまでの画一的なデータや与信審査とは異なった、適正な条件を利用者に提示することを実現した。また、AIの活用により各種業務を効率化してローコスト運営を実施することにより、利用者に明快かつ低金利での条件提示の実現を目指す。また、継続的にスコアの変動を確認することが可能となっており、利用者のライフステージに応じて必要な融資を行う。

 担当者は以下のように話す。「従来は資格取得や留学などキャリアアップの際にお金が必要になった場合、『お金を貯めて、それから挑戦する。』という選択肢が多かったと思います。このAIスコア・レンディングを用いることで、自分の可能性に応じた融資を受けることで『未来への投資』が可能になります。即ち、このサービスを用いることで、お金を貯めるのに必要であった時間を買うことが可能となります。」
 「AIスコア」は今後、同社が提供予定のほかのサービスでも活用できるようになるという。AIスコア・レンディングをきっかけに、AI×フィンテック技術で、あなたの可能性を伸ばしてはいかがだろうか。

  • ●株式会社J.Score
  • ●登録番号(関東財務局長(1)第01510号)
  • ●レンディング(ご融資)額/10万~1,000万円
  • ●レンディング(貸付)利率(実質年率)0.9%~12.0%
  • ●遅延損害金(年率)12.0%
  • ●ご利用対象/満20~70歳
  • ●返済方法/残高スライドリボルビング方式
  • ●返済期間・返済回数/最長10年・120回
  • ●担保・保証人/不要
  • ●ご契約には審査が必要です。
  • https://www.jscore.co.jp/lending/
  • ●ご利用の際は、レンディング(貸付)条件をご確認のうえ、計画的にご利用ください。
  • ●お問い合わせ 0120-976-426

返済等でお悩みの方は 日本貸金業協会貸金業相談・紛争解決センター
0570-051-051 (受付時間:9:00~17:30 休:土、日、祝日、年末年始)

日本貸金業協会会員日本貸金業協会会員 第005986号

ダンサーとAIが彩る 次世代ファッション広告

マレーシアの首都に2016年開業したISETAN The Japan Store マレーシアの首都に2016年開業したISETAN The Japan Store

 三越伊勢丹ホールディングスとクールジャパン機構が展開するISETAN The Japan Storeは、日本のファッションや食文化、技術などを海外に紹介するコンセプトストアとして2016年にマレーシアの首都、クアラルンプールで開業した。
そこで10月に1周年を迎えるISETAN The Japan Storeと、同じく日本で開発されたAIプランナーズMAI&AICOがコラボし、新たなファッション広告が実現した。

 今回、ISETAN The Japan Storeは、1周年のコンセプトである『New Wonder.』を表現するため、ミレニアムを象徴する気鋭のダンサー山田葵氏を起用。日本らしさの象徴である書道とコンテンポラリーダンスを掛け合わせ、赤・青・黄色のカラフルな色を身にまとう息を飲むパフォーマンスを繰り広げた。 そのビジュアルに今回、AIコピーライターのAICOが、「日本」をキーワードに関連語を自動的に織り交ぜて、数千個のコピーを出力した。このコピーを制作チームが複数選択し、今回の新聞広告が実現した。

開業1周年のコンセプト『New Wonder.』を表現するため、気鋭のダンサー山田葵氏を起用した 開業1周年のコンセプト『New Wonder.』を表現するため、気鋭のダンサー山田葵氏を起用した

 今回、制作チームのひとりは「AIマーケターのMAIで『JAPAN』をサーチしてみると『ハロウィン』『恋』『DNA』など、本当に多様なキーワードを含んでおり、その捉えどころのない魅力は今回のカラフルに彩られたビジュアルにぴったりだと思いました。またAICOの出力したコピーを一つ一つ見ていると、それは「『世界一』じゃなくてもいいから景気や西洋に振り回されず、アジアの国々といっしょに、『日本らしさ』があればいいんだというメッセージのようにも感じました」と語った。

 こうした人工知能が書く一連のコピーは理屈を超えたコピーであるがゆえに、さまざまな解釈を生み出す余地がある。さらに今回は人工知能ならではの特徴である大量にコピーを生み出すというメリットを生かし、紙面で掲載しきれなかった、ほかのグラフィックにも全て異なるコピーをつけてネットで公開している。今後はこうしたAIと人間がともに広告を作るようなコラボレーションがますます増えていくことだろう。

AIが人の仕事をつくる? 「ホームレス」の就業支援を、人工知能がサポート開始

2010年からホームレスの就業支援に取り組むHomedoorの川口加奈理事長 2010年からホームレスの就業支援に取り組むHomedoorの川口加奈理事長 Homedoor

 AIの進化は人間の生活の質を大きく向上させていく。その一方で、これまで人間がやってきた仕事がコンピュータやロボットに代替され、いつしか自分たちの仕事が奪われてしまうのではないかという議論が、世界中で盛んに行われている。このような現状に対し、AIプランナーズMAI&AICOのプロジェクトができることはないのだろうか。これが本取り組みの出発点である。

 2016年の日本における「ホームレス」の人数は厚生労働省によると6235人としている。しかし、この人数には、特定の住所を持たず、ネットカフェやファーストフード店などで夜を過ごす人々、働きたくても働けない生活保護受給者などは含まれておらず、これらを合算すると、支援を必要としている人数は何倍にも膨らむと推測される。このような人々を支援している団体の一つが、特定非営利活動(NPO)法人のHomedoor(ホームドア/http://www.homedoor.org)だ。Homedoorの川口加奈理事長は14歳でホームレス問題に出会い、19歳で同NPO法人を設立。それ以来、大阪市内を拠点としてホームレスの人々や生活保護受給者ら160名以上に就労支援、600名以上に生活支援をサポートしてきた。

自転車修理の事業も展開し、雇用を創出している 自転車修理の事業も展開し、雇用を創出している

 AIプランナーズMAI&AICOのプロジェクトは2017年7月、Homedoorと連携、「AIが人間の仕事を生み出すサポートに取り組む」という前代未聞の取り組みをスタートさせた。
議論を重ねる中で、Homedoorが以前から、ホームレスの人々への認知拡大、企業・個人への寄付募集、ホームレスの人々が自転車修理を行うシェアサイクル事業「HUBchari」の宣伝のためにリスティング広告(検索エンジンの検索結果に表示される広告)を出稿していることを知り、これらの広告の文面をAICOが考えることで、クリック率向上を図ることができないかと考えた。

 まず、「ホームレス」「生活保護」「自転車」などのキーワードを元に、約3000個のコピーをAICOで生成し、その中から50個を選定。そして、ホームレスの人々に投票してもらい、人気の高かったコピーを選出した。
現在、このコピーを用いたリスティング広告を実際に運用中であり、今後はクリック率の高かったコピーを分析するとともに、ホームレスの人々の意見を参考にしながらキーワードの選定をし直すことで、より効果の高いコピーを生成できるようPDCAサイクルを回していく。
川口理事長は「どのようなキャッチコピーが、相談に行こうか迷っている相談者の気持ちを後押しできるのかと日々悩んでいた私たちにとって、AICOが考えてくれるちょっと驚く、普通では考えられないような組み合わせの言葉は、目からウロコだった」と話す。また、「確かに、そのままでは使えないような意味のわからない言葉もあったが、それが逆に、こういう言い方もできるのではないかと新しい可能性を模索できるきっかけになった。これからも、AICOが創り出すキャッチコピーを通じて、生活にお困りの方々が一人でも多く、 Homedoorに来てもらえればと期待している」と語った。