海外旅行保険 ネット・スマホで契約、保険料細分化など独自色競う

 
損保ジャパン日本興亜の「off!(オフ)」のチラシ

 夏休みの海外旅行の計画をあれこれ考える時期だ。海外での急な病気やけが、盗難などのトラブルに備え、海外旅行保険に加入する人は多い。最近はインターネットで契約できる商品が増え、店頭販売より安い保険料が魅力だ。必要な補償だけを選べる保険や、行き先や年齢に応じて保険料に差がある商品、旅先で役立つスマートフォンのアプリの充実など、各社が特色を打ち出している。

 自由に設計

 損保ジャパン日本興亜のネット専用海外旅行保険「off!(オフ)」は2002年から販売。経費が少なくて済むため、店頭で契約する同様の商品に比べ保険料を50%前後安く設定した。これまでの契約件数は約600万件。

 基本補償は病気、けがの治療費だけ。セットになっていることが多い死亡補償や、他人の物などを壊したときの賠償責任、持ち物が盗まれたときの携行品損害保険などは、すべてオプションで自由に設計できるオーダーメード型商品だ。

 「保有しているクレジットカードに海外旅行保険が付いている人の場合、治療費はカードの保険ではカバーしきれないことがある。オフは治療費の補償だけ契約することもできるので無駄がない」とリテール商品業務部傷害医療業務グループの中原史陽さん。治療費補償は500万円から2000万円まで設定できる。

 JTBグループのジェイアイ傷害火災保険の「たびほ」もネット専用。年齢と旅行の行き先を、それぞれいくつかのグループに分け、比較的リスクが低いケースは保険料を低くしている。

 今年7月1日以降が対象の契約は、従来よりも区分を細分化。年齢は10歳未満、10~49歳、50代、60代、70代、80~99歳の六つに分け、10~49歳が最も安い。行き先は北米、欧州、韓国・台湾、その他のアジア、中南米・アフリカの五つの地域に分けており、安全性などを考慮して保険料に差がある。他の条件が同じなら韓国・台湾が一番安い。

 契約者向けアプリ「たびほスマートガイド」では、病気やけがで治療を受ける際に、体の部位や痛み方などを表す言葉を、日本語から英語、中国語、韓国語など6カ国語に翻訳。スマホの画面を医師に見せるだけで症状を伝えることができる。

 アプリで情報提供も

 KDDIとあいおいニッセイ同和損害保険が共同出資するau損害保険は、「スマホで、ソンポ」がキャッチフレーズ。スマホで手軽に加入できることをアピールする。

 「海外旅行保険は直前に加入する人が多く、いつも持ち歩くスマホとの相性が良い」と同社担当者。顧客の中心は20~30代の女性で、アジアなど比較的近い行き先にフリープランで出掛ける人が多いという。

 1回目は契約者情報を入力する必要があるが、2回目以降は5分もあれば契約が完了し、リピーター率が非常に高い。

 昨年12月にはアプリ「海外サポート」を大幅リニューアル。保険証券の記載事項をすべてスマホに収めた。空港に向かう電車の中で加入しても、出発後いつでも補償内容を確認できる。外務省配信のテロや感染症などに関する海外安全情報も提供する。