明治安田が生保初の定年65歳に 19年4月導入、高齢者の能力活用

 

 明治安田生命保険は、全職員を対象に定年を現在の60歳から65歳に延長する方針を固めた。少子化で若年層の労働力確保が難しくなるとみて、高齢者の管理能力や専門性を最大限に生かす。今後、労使協議で条件を詰め、2019年4月からの導入を目指す。大手生保で定年延長が明らかになるのは初めて。

 高齢層の活用は企業の大きな課題になっており、サントリーホールディングスなどが定年を65歳に延長している。中小企業も希望者全員が65歳以上まで働ける企業が増えるなど、企業規模を問わず高齢者の待遇を改善する動きが広がっている。

 明治安田では現在、定年退職した職員は1年更新の嘱託で勤務を継続し、65歳まで働ける。ただ給与水準が大幅に下がるケースが多く、仕事は補佐的な業務に限られている。

 定年延長後、60~65歳の給与を現在の嘱託の2倍程度に上げる。出身地に戻るなど勤務地は本人の希望を優先する。全国に支社や営業所など約1000の拠点があり、その中核を担う。60歳未満の給与水準は維持するため全体の人件費は増えるが、それを上回る効果があると判断した。

 16年3月末時点で対象は約9000人。そのうち総合職は約6700人、一般職は約2300人。導入以降に60歳を迎えた職員から適用する。

 若年層の採用は学生優位の「売り手市場」で、今春卒業した大学生の就職率は過去最高を記録した。5月の有効求人倍率も24年7カ月ぶりの高水準で必要な人材を確保するのが難しく、企業は社内の高齢者に目を向けている。

 また、厚生労働省は高年齢者雇用安定法を改正。65歳までの雇用確保を企業に義務付け、高齢者の活用を促している。