独走カープ、25年ぶり優勝なるか 広島が熱い!

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対中日戦でサヨナラ本塁打を放った広島の新井は試合後にファンとハイタッチ=18日、マツダスタジアム

 プロ野球はオールスター戦を挟み、後半戦に突入した。

 首位を独走するセ・リーグの広島、パ・リーグのソフトバンクがそのまま逃げ切るのか。追い上げるチームはどこなのか。今から、8月の上旬までが一つの見所だろう。首位チームがここを上手に乗り切れば、優勝に向けて加速していく。

 個人的に言えば、混戦が楽しい。一方で1991年以来、25年ぶりの優勝を目指す広島東洋カープの盛り上がりに、大いに興味をそそられる。

 ◆87.4%の稼働率

 20年ぶりの首位ターンとなった前半戦、広島の主催1試合平均の観客動員数は2万8844人。昨年が2万8588人だったから、0.7%の増加に過ぎない。プロ野球全体(別表)では3.9%の伸びで、平均以下の数値である。12球団では1.2%減のソフトバンクをワーストに、0.7%増の中日に次いで下から3番目に低い。

 一見、盛り上がっていないじゃないかと映る。しかし、本拠地のMAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島(マツダスタジアム)の収容人員は3万3000人だから、実に、87.4%の稼働率を誇る。

 昨年、広島は211万人の観客動員を記録、球団創設以来初めて200万人の大台を突破した。このとき、もう観客動員は頭打ちだろうとみられたが、好成績が後押し、予測を超えて数字を上乗せしたのだった。25年ぶりのリーグ制覇となれば、さらなる動員も期待できよう。

 広島市の人口は約119万人とされる。観客を支える背景としては、横浜市のDeNAや大阪市のオリックス、名古屋市の中日よりも劣る。ところが、観客動員数は巨人、阪神、ソフトバンクに次いで4位。市民の熱狂度がうかがい知れる。

 市民球団から出発した歴史があり、当然だとする見方もあろう。しかし、実際は成績の低迷もあって思うように観客が伸びない時代が続いた。「赤ヘル旋風」以降も親会社を持たない経営環境の厳しさも手伝い、FA宣言する主力選手を引き留められず、補強も進まず、成績と観客動員の低迷を招いた。

 転機は2009年、マツダスタジアムの完成と本拠地移転である。街中の広島市民球場から広島駅近くの新球場へ。懸念もあったが、ゆったりと開放的な空間、ユニバーサルデザインが導入された設計は高く評価された。観客視線に立つ「砂かぶり席」「寝ソベリア」「ファミリーテラス」「パーティーデッキ」など工夫を凝らした座席などが大きな話題となり、新たなファン層も呼び込んだ。

 ◆発想豊かな球団

 もともと、発想が豊かな球団である。斬新な応援スタイルやファン対策で、親会社のない状況にもかかわらず毎年、黒字を計上している。そこに若い選手の活躍に伴い、若い女性ファンが増えた。誰言うともなく命名された「カープ女子」は全国に拡大、社会現象ともなった。

 09年以前は100万人を切る年もあった観客動員は、09年187万人まで増加。そして昨年、黒田博樹投手がロサンゼルス・ドジャースの破格な契約条件を断り、復帰したことが話題を呼び、200万人突破に結びついたわけである。

 15年12月期の球団売上高148億3300万円(前年比15%増)、最終利益7億6100万円(同33%増)はともに過去最高を更新。中国電力エネルギア総合研究所は、広島とマツダスタジアムの広島県における経済効果について、15年分を248億円と算出した。今年、優勝すれば経済効果はさらに大きく伸びるだろう。全国、特に「神宮球場は三塁側から入場者が埋まっていく」と評される首都圏人気を考えれば、波及効果は広島一県にとどまらない。

 マツダ創業の松田家がオーナーで、前身の東洋工業の名を残すものの、球界唯一の独立した球団である。その活況は、独立リーグやサッカーのJリーグ、バスケットボールのBリーグの球団にも大きな影響を及ぼすに違いない。(産経新聞特別記者・佐野慎輔)

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 ■プロ野球の1試合平均観客動員数(前半戦終了時)

 セ・リーグ  2016年         本拠地 推定人口

 巨人   4万2630人(1.0%)   東京  936万人

 阪神   4万1286人(6.6%)   西宮   49万人

 広島   2万8844人(0.9%)   広島  119万人

 中日   2万8271人(0.7%)   名古屋 230万人

 DeNA 2万6377人(7.7%)   横浜  373万人

 ヤクルト 2万3514人(13.2%)  東京  936万人

 セ平均  3万1575人(3.3%)

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 パ・リーグ    2016年        本拠地 推定人口

 ソフトバンク 3万3736人(▲1.2%) 福岡  155万人

 日本ハム   2万7561人(5.0%)  札幌  194万人

 オリックス  2万4937人(0.9%)  大阪  270万人

 楽天     2万3038人(1.4%)  仙台  108万人

 西武     2万2033人(4.6%)  所沢   34万人

 ロッテ    2万1109人(23.2%) 千葉   97万人

 パ平均    2万5484人(4.4%)

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