【開発物語】高感度で繊細 心地よい装着感 ソニー、新型ヘッドホン「XBA」シリーズ (1/7ページ)

2012.4.23 05:00

  • 心地よい装着感を出すため、ドライバーユニットの配置やボディーの形状に工夫を施した

 ≪STORY≫

 スマートフォン(高機能携帯電話)の普及などで外出先で音楽を楽しむ人が増える中、ソニーが発売した新型ヘッドホン「XBA」シリーズが注目されている。精密なサウンドを実現する「バランスド・アーマチュア(BA)」型と呼ばれるドライバーユニットをソニーとして初搭載。しかも同ユニットを自社開発し、他社を上回るコストパフォーマンスを実現した。音質やコストのみならず、装着性や騒音低減にまでこだわった新型ヘッドホンは「ヘッドホンのポテンシャルを大きく広げる」とソニーでは期待をかけている。

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 ヘッドホンの心臓部であるドライバーユニットには、大別してダイナミック型とBA型の2種類がある。ダイナミック型は市販の多くのヘッドホンに採用されているが、BA型は補聴器などでも使われ、ダイナミック型に比べて高感度で繊細な音作りがしやすいとされる。

 ダイナミック型ドライバーユニットを搭載したヘッドホンしか手がけていなかったソニーが、BA型ドライバーユニットの開発に乗り出したのは4年前の2008年。「BA型を自社製でできないか」。パーソナルエンタテインメント事業部1部の投野耕治ヘッドホン技術担当部長が、10年ぶりにともにダイナミック型ドライバーユニットの自動生産設備を立ち上げたスタッフと会ったのがきっかけだった。