【開発物語】高感度で繊細 心地よい装着感 ソニー、新型ヘッドホン「XBA」シリーズ (6/7ページ)

2012.4.23 05:00

  • 心地よい装着感を出すため、ドライバーユニットの配置やボディーの形状に工夫を施した

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 ■国内“2強” ユーザー獲得へ攻勢

 ≪MARKET≫

 国内のヘッドホン市場はここ数年、拡大が続いている。「iPod(アイポッド)」やウォークマンなどの携帯音楽プレーヤーに加え、ヘッドホンを使ってスマートフォン(高機能携帯電話)で通勤・通学時に音楽を聴く人が増えていることを背景に、国内出荷台数は毎年約1~2割の伸びをみせる。「外出先でも良い音で聞きたい」というユーザーが増加。高級品とされる5000円以上のヘッドホンの売れ行きは好調で、大手家電量販店では専用コーナーを設けるケースが増えている。

 現在売られている一般ユーザー向けヘッドホンは1000円程度から10万円を超えるものまで価格帯は広い。特に「カナル型」と呼ばれる耳栓のように耳の穴の中に押し込むタイプが遮音性の高さなどから人気を呼んでいる。

 高級ヘッドホン分野では長く海外メーカーの優位が続いたが、ソニーとオーディオテクニカの国内“2強”も新商品投入などで攻勢をかけ、ユーザー獲得を目指している。ソニーが昨年12月に発売した「XBA」シリーズもその“切り札”としての期待がかかっている。

 市場の拡大にあわせ、技術革新も進んでおり、外出時に周囲の騒音を低減する「ノイズキャンセリング」機能を備えたものやランニングの際に使えるよう防水性が高く、耳から外れにくい工夫がなされたスポーツタイプ、無線などを使ってプレーヤーとヘッドホンつなぐ「ワイヤレスタイプ」も登場。各メーカーは技術開発に余念がない。

 今後もスマートフォンの普及拡大により、さらなるヘッドホン需要の増加が見込まれている。それだけに、新規参入や国内外のメーカーによる革新的な新商品の投入が相次ぎそうだ。