世界半導体売上高ランキング(2012年1~3月)【拡大】
国内半導体メーカーが大きな曲がり角を迎えている。ルネサスエレクトロニクスが大規模な工場再編と人員削減を余儀なくされ、エルピーダメモリは米社傘下での会社更生に追い込まれた。韓国・台湾勢の激しい攻勢などで競争力を失っているためだ。ルネサスなど3社はシステムLSI事業の統合で再生の道を探るが、円高下で「日の丸半導体」が生き残りを果たすためには、開発から製造まで一貫して行ってきた従来型の「垂直統合」型生産からの脱却が一つの鍵を握る。
マイコンに特化
「システムLSIの新製品開発を全面的に取りやめた」
今月2日の決算発表会見で、ルネサスの赤尾泰社長は厳しい表情で明らかにした。同社は自動車用マイコンで世界トップのシェアを持ちながらも、システムLSI部門が足を引っ張り、2012年3月期連結決算は最終赤字626億円(前期は1150億円の赤字)と、2期連続で巨額赤字を計上。国内工場の半減や従業員5000人余りの削減に加え、赤字部門を切り離しマイコン事業に特化して業績回復を狙う。