米アップルのスマートフォン(高機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)5」発売を機に、KDDIとソフトバンク両社トップの“舌戦”が激しさを増している。話題は高速データ通信サービス「LTE」の人口カバー率や番号持ち運び制度(MNP)の流出状況、さらには互いの経営判断にまで及ぶ。2人はともに55歳。その発言からは、同い年で携帯電話事業を率いる相手に対する強烈なライバル意識が垣間見える。
社長自ら確認
アイフォーン5の発売前日となる9月20日。KDDIの田中孝司社長は早朝5時に社員とJR山手線に乗り込んだ。
人もまばらな車内で、田中社長がしきりに気にしていたのが電波監視装置のモニターだった。画面に表示されていたのはKDDIとソフトバンクが提供するLTEの受信状況。山手線を1周する間、ソフトバンクの受信状況が途切れ気味だったのに対し、KDDIはほとんどの区間で受信状況は良好だったという。