「かなりよく(電波が)吹いていた」。田中社長は翌日の発売イベントで自慢げに胸を張った。
携帯電話利用者向けの電波が逼迫(ひっぱく)している都市部でLTE基地局の設置が遅れていたソフトバンクと対照的に、電波に比較的余裕のあるKDDIは人口集中地域でLTE対応を積極的に推進。
スマホをパソコンなどのモデムの代わりに使う「テザリング」でも先行した。田中社長はこうした優位性を「自分の目で確かめたかった」(KDDI関係者)のだという。
両社の対抗意識は、ソフトバンクによる国内携帯4位のイー・アクセス買収でも鮮明になった。
ソフトバンクが記者会見を開いたのは10月1日午後5時。これに先立つ同日昼過ぎ、KDDI広報部は報道各社に電話で「社長が社内向けの下期方針説明で、9月の携帯電話契約状況に触れ、MNPでソフトバンクからKDDIへの転入数が前月の3倍に増えたと話した」と説明した。