ボランティアウォークイベントに参加した今本晴香さん(右端、デサント提供)【拡大】
しかし、もっと大きな効果は、社員を一回りも二回りも大きくするという、人材育成の面である。競技者として、あるいはサポート役として、立場は違うものの、お互いがお互いのことを考え、「自分は何をしたらいいのか」を考えるようになる。
サポート隊を務めた福田さんは、選手といっしょに歩きながら、「選手が『この人になら頼みやすい』と思うような雰囲気をつくろう」と、笑顔を絶やさないようにしたという。
さらに「選手のサポートをしながら、自分にはもっといろいろなことができるような気になった」と打ち明ける。イベントへの参加を機に、確実に社員は“成長”しているのだ。
その後、福田さんには大きな変化があった。社内の会議などでも積極的に自分の意見を言えるようになり、仕事に対して前向きな姿勢で臨むようになったという。
スポーツ競技は本来、自分の限界に挑戦するものという一面がある。この休暇制度は日常の仕事を離れた場所で、社員が新しい“自分”を発見する貴重な機会になっている。(松村信仁)
◇会社データ◇
本社=大阪市天王寺区堂ヶ芝1-11-3
設立=昭和10年2月
事業内容=スポーツウエアの製造販売
売上高=830億円(平成24年3月期)
従業員数=734人(同3月末現在)