実際、CESでのパナソニックの展示ブースでは、車載システムなどのコーナーを中心に、説明員に熱心に質問を投げかける外国人の姿も多くみられ、新生パナソニックの未来に期待を抱かせた。
見せつけた技術力
一方で、パナソニックはCESで自らが持つ技術力も見せつけた。フルハイビジョンの約4倍の解像度を持つ「4K」に対応した56型の有機EL(エレクトロルミネッセンス)テレビを発表したのだ。今年のCESで4K対応の有機ELテレビを発表したのは、ソニーとパナソニックの2社だけだ。
昨年のCESでは、55型の有機ELテレビの試作品を相次いで発表したサムスン、LGに圧倒されたパナソニック。だが、4Kでは抜き返し、津賀社長は記者団に「韓国メーカーに技術で負けていない」と胸を張った。
だが、この技術力を収益に生かせないことがパナソニック低迷の主因だ。その状況は変わっておらず、津賀社長はせっかく発表したにもかかわらず、4K対応の有機ELテレビについて商品化の時期を明言できなかった。