シャープ・奥田隆司社長【拡大】
本業回復への取り組み強化不可欠
シャープは業績悪化による格付けの低下で社債発行などが難しくなり、インテルなど複数の有力企業にも出資を要請した。しかし、現時点で交渉がまとまったのは米半導体大手クアルコムの約50億円だけにとどまる。
今回の資本増強は、公募増資と金融機関への第三者割当増資を組み合わせた形などが検討されている。今後、主要取引銀行などと協議した上で、具体的な方策をまとめる考えだ。
ただ、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」への期待感を背景に株高が進み、シャープの株価は22日終値で310円と、12年の最安値(142円)に比べて大きく改善した。
12年10~12月期連結決算で5四半期ぶりの営業黒字に転換し、業績も「最悪期は脱した」(金融機関大手)との指摘もある。
もっとも、銀行側が融資継続の前提条件とする12年10月~13年3月の営業黒字化が果たせなければ、再建策も画餅となる。資本増強とともに、本業の回復に向けた取り組みの強化がシャープには欠かせない。