主要国・地域の粗鋼生産に占める電炉鋼比率【拡大】
事業環境がより厳しくなる中で再編や淘汰(とうた)が加速すれば、電炉メーカーの従業員総数約2万1000人、家族を含めれば約5万人の生活に影響が出ることが懸念されている。
鉄再利用にも影響
影響はそれにとどまらない。電炉メーカーは鉄のスクラップを再利用する重要な役割を担っているからだ。国内では自動車や建物などの建築物を解体した際に出る鉄骨や鉄筋など、年間3000万トン程度の鉄スクラップが発生し、そのほとんどが鋼材として再利用される。12年の粗鋼生産量約1億1000万トンのうち、2400万トン程度が鉄スクラップのリサイクルで生産された。この循環は「先進国ならではの強み」(大手鉄鋼メーカー)とされる。
鉄の生産に必要な鉄鉱石や石炭を輸入に頼る高炉とは異なり、原料を国内で調達できるため、天然資源の少ない日本で“自給自足”で鉄鋼を生産できる貴重な産業ともいえる。建築向けなどさまざまな用途に鋼材を供給する電炉業界は「日本の産業を支える基盤でもあり、電気料金値上げは産業競争力を毀損(きそん)する」(鉄鋼連盟)直接要因となる。