前田氏を引き継いだ末川氏は、社長時代の前田氏を参謀役として支えた若手エースだった。2年前の社長就任会見でも「改革を引き継いでいく」と語った“前田路線”の継承者だが、傾き始めた業績を成長軌道に戻すことはできなかった。
業績がピークだった07年度に4390億円に達していた国内化粧品事業の売上高は年々減り、12年度は1000億円近く少ない3480億円となる見通し。海外部門を牽引(けんいん)していた中国事業も反日デモや日本製品の不買運動で失速した。「買い控えの雰囲気は依然残っており、厳しい状況は当面続く」(同社)とみられる。
「選択と集中」必要
末川氏も手をこまねいていたわけではない。「売上高が伸びなくても利益を確保できる筋肉質な経営体質」を目指し、昨年4月、美容部員によるカウンセリング機能付きの通販サイト「ワタシプラス」を立ち上げ、国内販売のてこ入れに着手。