転籍組の一人で、プロセス技術部と商品設計部の部長を務める取締役の平川仁(45)は「このデバイスが持つ可能性は高く、技術者としてやりがいがあると考えた」と振り返る。
小学校の校長も務めた篠田の妻、洋子(64)は組織運営や交渉の能力を生かして設立当初は社長、現在は専務として会社を支える。洋子も「技術者魂を持つ信念の人。山あり谷ありだったが、言ってきたことは全て本当になった」と、篠田の有言実行ぶりに信頼を寄せる。
篠田プラズマは09年以降、従来品の「シプラ」を兵庫県の明石市立天文科学館や関西空港、兵庫県立美術館に設置し、12年4月には東京の複合ビル「渋谷ヒカリエ」の商業施設に納入するなど実績を積み上げてきた。ただ、いずれも顧客の注文に応じたオーダーメード品だった。
これに対して新製品では量産化を妨げていた壁を崩し、既製品化を図る。平川はこう話す。「従来は手作りに近く、生産効率が悪かった。詳細は企業秘密だが、工程の自動化にめどが立ってきた」。篠田は今年を「第2の創業」と位置づけ、生産能力を大幅に増強する考えだ。