篠田は家庭への展開も狙っている。室内を囲むように取り付けることで「部屋にいながら別空間をリアルに疑似体験する」。未来小説に出てくるような光景が篠田には見えている。
ただ、夢を現実に変えるには課題も多い。1台で約400万円という価格は従来品のほぼ半額とはいえ、どこまで受注を伸ばせるかは未知数。家庭向け製品には大幅なコストダウンと一層の高精細化が必要となる。
調査会社の英フューチャーソース・コンサルティングの推計によると、商業用大型ディスプレーの世界需要は台数ベースで12年は前年比63%増の36万5000台とみられ、14年にはその1.8倍の65万9000台に伸びる。さらに近い将来、100万台規模に膨らむと予測している。
市場は目前に広がっている。当面の目標は現在の売上高3億円を10億円に増やし、約40人の従業員が働く会社の経営を盤石にすることだ。そのためには世界展開が欠かせない。パートナーを探し、米国や中国で売り込みをかける。その準備も動き出している。=敬称略(村山雅弥)