資生堂社長交代会見。会見後握手を交わす、社長を兼務する前田新造会長(右)と体調不良で社長を退任し相談役に就任する末川久幸社長(左)【拡大】
結局、業績がピークだった19年度に4390億円に達していた国内化粧品事業の売上高は減り続け、24年度は1千億円近く少ない3480億円となる見通し。中国では「買い控えの雰囲気が依然残っており、厳しい状況は当面続く」(同社)とみられる。
過去のしがらみ
資生堂の経営改革について、大和証券の広住勝朗シニアアナリストは「思い切った取捨選択と過去のしがらみを断ち切る勇気が必要」と強調する。国内最大手の資生堂は幅広い商品分野と販売網に手を伸ばす“全方位外交”を展開してきたが、成功体験にとらわれぬ選択と集中が急務だ。
かねて指摘されてきた人件費削減への取り組みにも注目が集まりそうだ。資生堂は国内外に計約2万人の美容部員を抱えるが、前田氏が社長だった18年、「顧客志向の追求」を理由に美容部員に対する販売ノルマ制度を廃止していることなどから、「良く言えば『社員に優しい』、悪く言えば『ぬるい』会社」(業界関係者)との印象を市場に与えたと見る向きもある。
「経営環境が大きく変化しているから、私が在任中に考えた政策なども合わなくなっているものがあるのではないか。総点検しながら抜本的な改革をする」
そう断言した前田氏の次の一手には、以前にも増して厳しい視線が集まりそうだ。(豊田真由美)