ソーシャルビジネス・ドリームパートナーズの投資1号案件となったカンボジアの「ドリーム・ガールズ・プロジェクト」で作品を披露する女性=2013年3月、プノンペン(木村文撮影)【拡大】
中川氏はドリームパートナーズ設立のねらいについて、「寄付ではなく、投資により、ソーシャルビジネスの成功例を創出し、社会問題を解決する手段としてのビジネスを定着させたい。また、ソーシャルビジネスに取り組もうとする若者を支援・育成したい」と話す。さらにこう付け加える。「ワタミ自身が、介護や環境など社会的な課題の解決を目指す事業を展開している。その経験からも、こうした社会問題解決型ビジネスは今後一層ニーズが広がり、市場が拡大していくと考えている」
社会事業家を育成
ソーシャルビジネスは、まず事業が軌道に乗ることが求められる。赤字の垂れ流しでは、持続的な社会貢献を実現できないからだ。中川氏も社会貢献と事業の両立を重要視している。
「私たちの考えるソーシャルビジネスは利潤の最大化が目的ではないが、ビジネスとして成立し、持続的な投資を呼び込むことが求められる。したがって、社会のためになるだけでなく、消費者のニーズに十分対応し、出資者にとってもメリットが見えなければならない。『社会的に良いことをしているのだから』という経営者の甘えを排除し、社会事業家としてのマネジメント力を育てるのも、私たちの投資の目的だ」