西武HDの後藤高志社長は「サーベラスが経営に影響力を強めると、中長期的に企業価値の向上につながるとは考えにくい」と猛反発。これに対し、日本法人「サーベラス ジャパン」の鈴木喜輝社長は「あくまでアイデアとしてあげたもの。強制や要請をするつもりは今後もなく、経営権を獲得する気も全くない」と述べるなど、主張がかみあっていない。
決算を判断材料に
両者の対立はTOBでは終わらない。次の焦点は6月末に予定される西武HDの株主総会だ。
サーベラスは、新任取締役候補として元金融庁長官の五味広文氏や、サーベラス幹部のダン・クエール元米副大統領、ジョン・スノー元米財務長官ら8人を推薦している。選任には株主総会の過半数の賛成が必要で、委任状争奪戦(プロキシファイト)に発展する可能性がある。
ここでも個人株主の動向が注目されるが、その判断材料となるのが、14日に西武HDが発表する25年3月期連結決算だ。東日本大震災以後、落ち込んだホテル・レジャー事業が復調しておらず、すでに業績が下方修正されている。今期の業績見通しの実現性にも疑問符がつけば、個人株主が経営陣を見限る可能性もある。(藤沢志穂子)