◆青田買いで成長の糧
さきにも述べたとおり、ヤフーは05年にも、後に売却されたソーシャルブックマーキングのdel.icio.us(デリシャス)や写真共有サービスのFlickr(フリッカー)を獲得し、カッコよさを取り戻そうとした。インスタグラムや、フェイスブック上の写真共有がこれほど急速に伸びたことから見て、フリッカーはヤフーが大きな機会を逃した例と考えられている。実際、この年に買収された消費者向けサービスは、どれもヤフーの同年の利益に大きな影響を与えることはなかった。
当時の買収の意図は、そのものの力だけで成功できるようなサービスを探し、ヤフー傘下に収めることで、ヤフーをユーザーが使いたいサービスを集めたポータルサイトに仕立てあげることだった。これに対し、メイヤーCEOの指揮する今回の一連の買収は、すでに同社が持っているサービスにちょっとした改良を加えるためのもののようだ。
そこで、いまヤフーは新しい企業を買収すると、直ちにそのサービスを同社の製品ラインアップに組み込み始める。以前買収された企業とは違って、買収の時点では、マーケットからの注目も、消費者からの人気も集めていないスタートアップがほとんどだ。