メイヤーCEOの新ヤフー文化圏に新しいスタートアップを招き入れることに成功すれば、それは彼女にとって、「ヤフーはスタートアップの墓場であり、エンジニアの過小評価される職場だ」というネガティブな見方を払拭するチャンスになる。これによって、ヤフーはグーグルやフェイスブックとのより規模の大きい買収合戦にずっと楽に臨めるだろう。市場の構図を変えるような買収が、ヤフーには必要になる。例えば、グーグルが獲得したネット広告のDoubleclick(ダブルクリック)、YouTube(ユーチューブ)、そしてほとんどの旅行代理サービスが採用するITAソフトウェアのような種類と規模の買収がヤフーの未来を本当の意味で変えるためには欠かせない。
◆雇われCEOの狙い
メイヤーCEOがこの線で将来を見据えていることを匂わせる動きがある。最近、ヤフーはフランス発の動画共有サービスDailyMotion(デイリーモーション)の獲得に失敗したもようだ。彼女が次に狙うのは、プレミアムコンテンツ動画を配信するHulu(フールー)との噂もある。買収とサービスの統合がうまくいけば、どちらもヤフーの時価総額に直接大きな影響を与えそうな話だ。いずれにしても、近く、こういった種類の企業買収がヤフーによって行われることが予想される。