一枚板ガラスのパネルには、画面を挟むように左右にスピーカーが3個ずつ縦に配置されている。一番下にあるのが磁性流体スピーカーで、テレビの背面を伝わって上部のスピーカーも同時にクリアな中低音を響かせる。
磁性流体とは、酸化鉄などの細かい磁性体粉末を含むオイル状の溶液。米航空宇宙局(NASA)が1960年代に宇宙服可動部のシール材などとして開発し、今ではさまざまな分野に応用されている。
ソニーは2011年、磁性流体スピーカーを独自開発。音楽データをスマートフォン(高機能携帯電話)に取り込み、無線LANでスピーカーに飛ばして音楽を聴くスタイルが主流になり、音響機器の小型・薄型化が一層求められるようになったのがきっかけだった。
従来のスピーカーは振動板とボイスコイルの間にダンパーと呼ばれる部品をはさみ、ボイスコイルの飛び出しを抑えていた。磁性流体スピーカーは磁石の溝に磁性流体を入れ、ダンパーがなくてもボイスコイルが安定した状態で効率的に音を出すことに成功した。