5月22~24日にパシフィコ横浜で開催された「人とくるまのテクノロジー展」に出展した三輪EV「エレクトライク」と開発した日本エレクトライクの松波登社長【拡大】
環境性能に加え、二輪車と四輪車の長所を集めた効率性、「三輪車は横転する」というイメージを払拭する安全性向上、EVの概念を打破する価格の安さに注力して開発を進めた。
役に立ったのが学生時代から培ってきた“松波人脈”。松波は若いときラリードライバーとして活躍、1973年にはトヨタ自動車のラリードライバーとして参戦したJMS全日本ラリー選手権で第3位の結果を残した。母校の東海大学に加え、ラリー仲間のネットワークが夢の実現に一役も二役も買っている。
日本エレクトライク設立以前の05~07年に東海大学と連携。成果として、左右に曲がるときの不安定な操縦性を補正する装置「アクティブホイールコントローラー」を開発。後輪を2つのモーターで独立駆動させることで、カーブもバランスを崩さずにスムーズに曲がれるようにした。最小回転半径は2.9メートルと小回りも抜群だ。
開発戦略として打ち出した安全性向上は実現した。残るは価格。「100万円を切る低価格」に挑むことになった。