大阪市内のイオン(右)、神奈川県内のダイエー【拡大】
振り返れば昭和30年代、「価格破壊」で流通革命を起こした中内功率いるダイエーは、瞬く間に規模で百貨店を上回り、「小売業の盟主」に駆け上がった。
当時、ダイエーは人口30万以上の都市に続々進出し、イオンの前身であるジャスコはダイエーとの安売り競争に敗れ、都市部の一部店舗を閉鎖せざるを得なかった。
イオンの創業者、岡田卓也氏は「タヌキやキツネの出る場所に出店せよ」と号令し、人口3万~5万人の小都市に狙いを絞ったのだ。
こうした“過去の栄光”があるため、ダイエー社員には、「イオンに負けたことを認めたくないというプライドがある」(関係者)とみられる。
その一方、イオンの社員たちも「勝ち組」という意識が強すぎて、ダイエー社員の反感を買っている側面があるようだ。
郊外のイオン、都市部のダイエー
イオンの現在のダイエーへの出資比率は約20%。8月21日まで、ダイエーへのTOB(株式公開買い付け)を実施中で、ダイエー筆頭株主で約29%を出資する丸紅は約24%分を応募する予定だ。