大阪市内のイオン(右)、神奈川県内のダイエー【拡大】
第1弾はPB統一
子会社にした段階で、イオンの6000品目にも及ぶ自社のプライベートブランド(PB=自主企画)「トップバリュ」のダイエー店舗での販売を拡大する。
大手メーカーのナショナルブランド(NB)より10~30%安いのが特徴で、来年4月の消費増税をにらんで品ぞろえを強化。25年度のPB売上高を前年度比40%増の約1兆円に引き上げる計画だ。
イオンは19年にダイエーの2位株主となって以降、ダイエー店舗でトップバリュ商品を販売しているが、ダイエーは独自のPB「おいしくたべたい!」を展開。このため、ダイエー店舗に並ぶトップバリュ商品は、焼酎やランドセルなど競合しない商品に限られていた。
イオン広報担当者は「1つの会社に2つのPBは考えにくく、今後、一本化することになるだろう」と説明しており、「おいしくたべたい!」の一部はトップバリュに衣替えする案が有力視されている。
また、ダイエー店舗では今後、イオンの自転車専門店「イオンバイク」の出店、電子マネー「WAON」の利用なども進められる方針で、ますます「ダイエーのイオン化」が強化される。
ただ、企業のDNAは、伝票のつけ方や納入業者との付き合い方など細部に宿る。イオン流をダイエーに「移植」するのは結構手間と時間がかかりそうだ。
(織田淳嗣、粂博之)