まいたけの気に入る環境を考える
--先月でちょうど設立30周年です。当初、まいたけの人工栽培は不可能とされていたそうですが…
「『不可能とか難しいからこそ、やってみよう』と挑戦したくなるのが私の性格です。へそ曲がりなのですね。まいたけは山奥でしか自生しないきのこで、まいたけ自体が『幻のきのこ』といわれていました。しかし、不可能を可能にしなくては、他社と違ったものをつくることはできません。私は中学校しか出ていなくて、子供のころから精神的にも苦しい思いをしてきました。それで『なぜ(そうなるのか)?』と考えるのが思考パターンになりました。なぜを突き詰めて考えていくと、原因が解明できるようになります」
--それが、まいたけの人工栽培に生きたのですね
「そうです。まいたけが自生する山奥の環境を工場内で再現してみる。しかし、うまくいかないから、なぜと考え、仮説を立てて、またやってみる。まいたけの気持ちになって、まいたけの気に入る環境を考える。そうした試行錯誤を繰り返すうちに、温度、湿度、CO2、風、光などを、どうコントロールすると、まいたけが生産できるのか-。そのノウハウがわかってきます。そうなって初めて、量産が可能になるのです。こうした経験を蓄積して、その後、もやしの生産を再開したのをはじめ、ぶなしめじ、えりんぎと生産品目を増やし、最近は、まいたけから抽出した成分で健康補助食品も製造し販売しています」