コメ先物取引の1日平均の出来高(月別)(大阪堂島商品取引所)【拡大】
しかし、安倍晋三政権が、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加に踏み切ったため、猛反発。700%を超える高い関税率に守られているコメの関税率が大幅に引き下げられれば、「安い輸入米に対抗できない」と主張する。
コメ先物取引にしても同様で、「JAの既得権が次々と奪われ、影響力が弱体化してしまう」(関係者)という危機感があるようだ。
先物価格は農家に「有益」
JAが「マネーゲーム」と批判するコメ先物取引だが、過去2年の試験上場の値動きで投機的な乱高下はほとんど見られなかった。
現物の公設取引所だった「全国米穀取引・価格形成センター(コメ価格センター)」が平成23年に解散し、国内の需給の変化を素早く映すコメの価格指標は先物市場しかなくなった。
コメ先物市場が発信する早くて的確な情報は農家の経営に役立ち、農業競争力の強化にもつながる。相場が下がれば、「ブランド米が供給過剰されている実態がすぐに分かる」(関係者)からだ。