LIXILグループの連結業績【拡大】
住宅設備国内最大手のLIXIL(リクシル)グループが、海外企業の買収で一段と攻勢を強めている。9月下旬には約29億3500万ユーロ(約3816億円)の巨費を投じ、欧州で高いブランド力を誇る住設機器大手「グローエ」を買収する方針を決定。国内市場の縮小が不可避な中、米ゼネラル・エレクトリック(GE)出身で2011年に就任した藤森義明社長が主導し、海外事業の強化に向けて「時間を買う」戦略だ。ただ、積極的なM&A(企業の合併・買収)の活用は財務バランスの悪化リスクをはらむ上、買収先の収益性をどう成長させるかが課題。拡大策の勝算に注目が集まっている。
水回りで世界基盤
「水栓金具はこれまで、リクシルグループの製品では弱かった。グローエ買収によって、水回りのすべての製品が整ったことになる。同時に、世界展開の基盤もできあがったといえる」
グローエ買収を発表した9月26日の記者会見の席上、藤森社長はこう胸を張った。グローエは1936年創業で、ドイツ・デュッセルドルフに本社を置き、キッチンや浴室、洗面室で使う水栓金具では欧州で最大手だ。