日本製紙の社有林と日本コカ・コーラの工場の分布図。両社の関わりのある地域の森林と水系保全に向けた活動を展開していく【拡大】
「紙の原料である木資源の持続的な管理は事業の生命線にかかわる」(芳賀社長)ことから、日本製紙は保有する全国400カ所、約9万ヘクタールの社有林を活用した森林の保全事業や植樹活動に積極的に取り組んできた。中でも、特に目を見張るのが「容器内挿し木」という独自技術を活用した森林の再生と保全活動だ。
この技術は、特殊な培養室と培養容器でさまざまな光の波長、十分な水分、大気中の2~3倍の炭酸ガスを与える環境をつくることで、植物の光合成能力を最大限に引き出す。挿し木では根が出なかった植物でも発根を可能にした。
同技術を応用して、国立科学博物館・筑波実験植物園が保全する琉球列島の絶滅危惧植物24種類の増殖に成功。国立遺伝学研究所の桜の後継木を11年までに78種類も育成した。もともとは植樹促進のために開発された技術だが、今では森林の再生や保護に大きく寄与している。