■他分野へ活用拡大に期待 三菱重工業と技術協定、販売へ
櫻弐號をめぐっては、もう一つの見逃せないプロジェクトが始動した。ロボットを開発した千葉工業大学と重機械大手の三菱重工業が、原子力分野向けロボットを対象に技術協力協定を締結したことだ。その第1弾として、三菱重工業は千葉工業大学から櫻弐號のライセンス供与を受け、同ロボットを広く生産、販売していく方針だ。
今回の提携は関係者から驚きと大きな期待感をもって受け止められた。その理由は相互補完的な効果が見込める戦略的な提携だからだ。千葉工業大学は、櫻弐號をはじめとした原発分野向けロボットの研究と開発に多くの実績をもつ。一方の三菱重工業は原子力発電プラントをはじめ、原発向けロボットの設計、生産、品質管理、販売、運用などのノウハウを保有している。それぞれの得意分野が融合することで、生み出されるベクトルがより大きくなるというわけだ。
両者の提携によって期待される効果の一つは、活用分野の多方面への拡大だ。実際、それぞれのノウハウを合体させ、原子力発電所分野にとどまらない同ロボットの活用策を検討していくことにしている。
その具体策が、CBRNE災害と呼ばれる分野への展開だ。CBRNEとは、Chemical(化学)、Biological(生物)、Radiological(放射性物質)、Nuclear(原子力)、Explosive(爆発物)を指し、これらに起因した事故は、重大な被害をもたらす恐れがある。そこでこれらの事故・災害において早期の情報収集に役立つロボットを開発、生産していこうというものだ。