--駆動系のユニットは、用途に応じて柔軟に対応できるようになっているようだが…
古田 このロボットは、与えられた使命を着実に実行できるようにするため、カスタマイズできる点が大きな特徴だ。モジュール構造にして、ミッションに応じて、その機能を付加するという考え方だ。だから駆動系についても、移動速度を優先するのか、積載能力や登坂能力を優先するのかといった目的によって、ギアを含めたモーターユニットについて最適なタイプを選択できるようにした。また、左右のメインクローラーには、通常、1組のモーターユニットが備わっているが、実はもう1組のモーターを備え付ける場所があり、四輪駆動にすることもできる。
--アーム部分にも多くの工夫がされているようだ
古田 関節部における無電力姿勢保持や撃力保護機能などが挙げられる。例えば、関節部分に組み込んだ電磁ブレーキやウォームギアにより、同じ姿勢を維持するときには電流を全く消費しないようにした。このことは長時間の作業を可能にする。アームの長さも200センチを確保した。原子力発電の重要な設備には、配管が備わっていることが多く、となれば現場の技術者からは、配管が複雑に配置されている高所を見たいという要望が出てくる。その辺を勘案した結果、200センチという長さにたどり着いた。