古田所長は「大学には製造や販売など、できないことがある。それが提携によって補完されることで、こうした災害対応型のロボットをもう一段高いステージにもっていけるのではないか」と期待する。
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□古田貴之・未来ロボット技術研究センター所長に聞く
■原動力は「現場で役立つこと」
--「櫻弐號」には、ロボット研究で培った独自のノウハウが随所に盛り込まれているようだ
古田 確かに私たちだけがもつ独自の工夫を随所に凝らした。その代表的な部分は、やはりクルマのエンジンにあたるモーターだろう。今回、ロボットに搭載したモーターは、汎用(はんよう)品ではなく、われわれが独自に開発した。汎用品で今と同じパワーを出そうとすると、モーター本体がどうしても大きくなるばかりか防塵・防水性の確保なども難しくなるし、適正な大きさに収めようとすると、今度はパワー不足に陥る問題があったからだ。
--ポイントになったのは
古田 磁石と電気回路の2つだ。モーターの性能を左右する大きな要素が磁石。だから、小さくても大きなパワーを出せるようにと、次世代の製造プロセスで使われる高性能な磁石を採用した。そのうえで挑んだのが電気回路の最適化。モーターには、たくさんの種類があるが、こういう時には、これくらいの電流を流せば無駄なくパワーが引き出せるという特性は機種によって異なる。われわれはその特性を解析し、データを記した曲線グラフをにらみながら、極限まで回路の最適化を追求した。