東芝はスペインの電力大手イベルドロラから、英国の原子力発電事業会社「ニュージェン」の株式50%を取得することで合意した。取得価格は約8500万ポンド(約145億円)。東芝は事業会社を買収することで、設備納入などの機会を手にする狙いがある。
イベルドロラが23日に発表した。ニュージェンはイベルドロラとフランスの電力大手GDFスエズが折半出資。英中部のセラフィールドで出力360万キロワットの原発の建設を計画している。
東芝はGDFスエズからもニュージェン株の一部を取得し、過半数を保有する見込み。子会社の米ウェスチングハウス(WH)の設備の納入を目指す。原発建設後はニュージェンの経営権を売却するとみられる。
ドイツなどで「脱原発」の動きが広がる一方、英国政府は原発建設を推進している。昨年には、日立製作所が英国の原子力発電事業会社「ホライズン・ニュークリア・パワー」をドイツの電力大手から買収し、原発を建設する準備を進めている。