--経済環境をどうみる
「海外投資家と話していて日本が久しぶりに脚光を浴びていると実感する。消費者物価指数がプラス転換し、デフレ下で染みついた意識が変わり、『成長』がキーワードの前向きな時代になるだろう。設備投資はまだ顕在化していないが、日本企業の設備稼働率はかなり高水準で、更新需要も高く、今後本格化するとみている」
--グループ経営について
「銀行と証券の一体運営をさらに進める。銀行の顧客で少しリスクを取ってでも高い利回りを望む人に、SMBC日興証券の商品を提供するなど、グループ内のサービス紹介を促したい。グループ横断でチームを立ち上げ、パソコンや資材の共通仕入れなどの地道なコスト削減策にも取り組んでいる」
--仏企業を買収して発足したSMBC信託銀行の展望は
「富裕層を対象とした個人ビジネスを得意とし、グループになかった新しい特徴を持っている。店舗は東京と大阪にしかないが、人員や店舗を増やすことも視野に、事業を拡大していく構想を練っている」
--インドネシアの年金貯蓄銀行へ出資した
「中間所得者層が増えるアジアは、幅広い金融ノウハウを持つ邦銀が強みを生かせる地域だ。インドネシアとベトナムの重点国に加え、ミャンマーやカンボジアなどにも関心を持っている。(消費者金融などの)ノンバンクも含めすべての金融サービスが提供できる態勢を構築したいと思っている」(塩原永久)