日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)【拡大】
--昨年の自動車業界は好調さが際立った
「多くの企業の業績が回復し、ようやくスタートラインに立てた一年だった。今年は着実に一歩進める年にしていきたい。持続的成長を進めるためにも、急に成長するのではなく、焦らず、ぶれずにやっていく。好業績でも調子に乗らない、そして多少落ち込んでも卑屈にならない。ぶれない軸をつくる年にする」
--景気は回復してきたが、部品メーカーなどに恩恵が行き渡っていない
「生産基地、開発拠点を日本に持ち、グローバルに戦っているのが日本企業。地盤の日本での力を保ちながら、競争力を上げていくしかない。給料が上がれば、コストが上がってしまうというのではなく、日本独自の生産性向上が必要だ」
--今年の自動車販売の見通しは
「平成26年度税制改正大綱で、一部の自動車の増税が決まった。国内は消費税増税が始まる4月以降の反動減は避けられない。海外市場の先行きを見通すのはまだ難しい。一歩一歩進めていくことが大事。もはや急成長の絵は描きづらい」
--昨年は円相場の変動が大きかった。望ましい為替水準は
「安定が大事。円高だから生産拠点を変える産業ではない。どこの自動車メーカーも国家を背負っている。だから金融業界のように、素早くできない部分がある。そういう意味では、国力を反映した為替レートであることが望ましい」(飯田耕司)