三宅占二キリンホールディングス社長(撮影・伴龍二)【拡大】
--昨年を振り返って
「国内では(安倍晋三政権の経済政策である)アベノミクス効果により、低価格志向で消費を控えていた消費者が、『お金を使っていい』というマインドになった。小売りがメーカーより高い商品を企画して、成功したのには驚いた」
--4月には消費税増税だが
「景気の回復傾向は変わらない。ただ、高価格商品は訳あって高くないといけないし、低価格でも品質感を出さないといけない。消費者の選別の厳しさは一層強まるだろう」
--海外事業が好調だ
「豪州の酒類事業、特にビールはプレミアムや機能性の高い商品が好調だ。日本でもテスト販売したリンゴ酒も、豪州で日本のリンゴ品種というブランドが生きた。今後は健康志向の商品が成長分野で、日本市場で培った知見が生きるはずだ」
--東京・中野に本社を移転した
「同じフロアにビールや清涼飲料、ワインなどのマーケティング、生産、営業部門がおり、情報の共有量が増えた。今年は事業計画も昨年までとは違って、最初からグループ横断的に練っており、高いシナジー効果が期待できる」
--女性登用の現状は
「女性の感性が分からない商品は支持が得られない。当面は平成33年までに、(係長級以上の)『経営職』にあたる女性の人数を、現在の3倍の300人とし、管理職全体の女性比率が12%程度にまで高まるようにしたい。男性の管理職にも、女性登用の意識を持つよう徹底していく」(佐久間修志)