東京の2007年問題はふたを開けてみれば、高級ホテル市場という新たな市場の創出や既存ホテルの改装を通じ、各ホテルの稼働率が高まる結果となった。
関西のホテルも訪日観光客の増加で稼働率が高まっているとはいえ、大企業の本社や官公庁がある東京と比べ、関西は海外からのビジネス目的での訪問は少なく、集客力に大きな差があるのが現状だ。観光需要という限られたパイを各ホテルが奪い合う構図になるのは避けられない。
東京都心では東京五輪の開催をにらみ、大手ホテルが相次いで大型改装に乗り出しており再び、集客競争が激しさを増してきている。
関西も和食の無形文化遺産登録などを追い風に観光客増加が見込まれる。勝ち残りのカギを握る外国人観光客争奪戦の火ぶたがまもなく切って落とされる。(橋本亮)