【底流】日本勢、技術優位も時間勝負の総力戦 イラク巡る国際競争 (3/5ページ)

2014.1.19 07:00

 同様に住友商事は自動車サービス関連会社に出資したほか、豊田通商も変電所受注や「自動車のメンテナンス需要も大きい」(大岩秀之プラント・プロジェクト第一部長)とサービス拠点増設に動く。

 円借款は相手国政府の要請が条件で、調整や入札手続きには一定の時間がかかる。だが、商機を逃さないためには「機動的な政府資金も欠かせない」(民間企業)との声も高まる。政府は国際協力銀行(JBIC)の民間との協調融資(輸出金融)を28年ぶりに再開する方向で最終調整している。ただ、融資が相次ぐかは不透明だ。

 随伴ガス活用に期待

 日本が政府支援に乗り出す背景には、エネルギーの安全保障もある。石油資源開発が参画する南部のガラフ油田の生産が昨年始まったが、日本の原油輸入に占めるイラクの割合は2~3%に過ぎない。「調達先の多様化を進めるためにも、重層的な関係構築は欠かせない」(経産省幹部)という。

「2020年に向けて肥料工場や石油化学で農業の活性化や産業振興による国づくりの方向性を示したい」

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