【ワシントン=柿内公輔】米インテルが経営改革を加速している。かつて世界を席巻した「半導体の巨人」も、パソコン市場の鈍化に加えモバイル化の波に乗り遅れて業績が低迷。昨年就任したクルザニッチ最高経営責任者(CEO)が先頭に立ち、次世代機器の開発など事業再構築やリストラを急いでいる。
「当社はウエアラブル(装着型)端末の幅広い生態系を見据えている」
6日に米ラスベガスで開かれた世界最大の家電見本市。基調講演に立ったクルザニッチ氏は、今後の成長分野と期待されるウエアラブル端末で巻き返しを図る意気込みをみせた。運動中に心拍数に応じて再生する音楽が変わるイヤホンなど「従来のインテルのイメージを覆した」(アナリスト)製品が目を引いた。
パソコンの心臓部にあたるMPU(超小型演算処理装置)で約8割のシェアを今でも握るインテルだが、肝心のパソコン市場が低迷し、逆に普及するスマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット型端末への対応に出遅れ、業績は急降下した。